JOIN US!
AD-emotion
Independent Story

支援と応援の両方をもらえるから頑張れる

株式会社Dish of Life
古田崇 Takashi Furuta
ADエモーションの社員独立支援制度の第一号。神楽坂と虎ノ門ヒルズで、予約のとれないレストラン「ARBOL」を経営。2020年にはモダンチャイニーズ「アルボール淡路町」をOPEN。オーナーシェフとして第一線で活躍する古田シェフが独立支援制度について語ります。
Interviewer:M.Ito

ADエモーションはどんな会社でしたか?

調理学校卒業後、和食、イタリアンの店や、オーストラリアでもしばらく働いたりしていましたが、特に業態へのこだわりはなくて、ADエモーション(以下AD)入社後に、会社が新に立ち上げたブランド「黒ぶたや」の1号店に配属になりました。会社は、皆仲が良くて、家族みたいに温かい。みんな食べることが好きだし、毎日のように飲みに行って、いろんな話をするんですが「産地に行ったことがない」と言ったら「それは行かなきゃ!」と、急遽、鹿児島の豚肉の産地に連れて行ってもらったんです。

おいしくて安全な豚肉のために、生産者さんが試行錯誤しながら真剣に取り組まれている。何もかも新鮮で、「こんなにも手間ひまかけて大切に育てられるんだ!」と驚きました。その思いのこもった食材をどうやって食べていただくか。「自分ならこうしてみたい!」というやる気が俄然湧いてきたんです。今思うと乗せられたのかなと(笑)。でも、そんなふうに人の情熱や成長を引き出す機会を与えてくれる会社だと思っています。

独立することになったきっかけは?

産地に行ってしばらく経った頃、新たに出店計画がもちあがり、社長から「社員独立支援制度のモデルにならないか」と言われました。店の契約や設備は会社で用意し、店の運営一切を僕に任せるということでしたが、なにしろ制度利用の第一号なので、お互いに探り合いながらという感じでした。

開店資金を出してもらって「黒ぶたや経堂店」をオープンしました。食材の仕入れにもADのネットワークを使わせてもらえて、人材も派遣してもらえる。すごく恵まれたスタートでしたね。いわば、親の支援で一人暮らしを始めるような(笑)。ただし、内装からメニューづくり、運営は自分で全部やりました。相談も泣き言も聞いてくれるけど、「一人で決めろ」と突き放される。でも、不安じゃなかった。そうやって徐々に独り立ちしていった感じです。

神楽坂アルボールをはじめた経緯は?

ある日、「崇、次は何をやりたい?いい物件があるよ」と社長に言われて見に行ったのが、神楽坂の路地裏にある古民家でした。以前働いていたこともあって神楽坂は憧れの地。その時も「やります!」と前のめりで引き受けました。今度こそ本当の独立だと思って、2009年に株式会社 Dish of Lifeを立ち上げ、「神楽坂ARBOL」をオープンしたんです。

物件でまず気に入ったのが屋上で、早速菜園を造りました。キッチンはオープンにして、個人宅でのパーティみたいに賑やかにしようと。産地直送の「野菜がおいしい店」にしたくて、うちの菜園だけでなく鎌倉や四国などの厳選した産地にスタッフと足を運びました。人との縁は大切にしていきたいし、それが自分の頑張りにもつながっていると感じています。そう、これもADで学んだことそのものですね。

どのような支援を受けられたのですか?

黒ぶたや経堂店のときは、設立資金や物件の敷金含め、開店資金は全額出資いただきました。無担保で利息も金融機関より断然低いし、返済計画も一緒に立ててもらい、不安はまったくなかったですね。アルボールも数年間はADが物件を借り上げてくれました。今は大家さんと信頼関係が出来てDish of Lifeが直接契約していますが、最初からは無理だったでしょう。経済的な支援に加えて精神的な支えも大きかったと思います。

今でもADのスタッフとは兄弟みたいに仲がいいし、社長には何でも話します。虎ノ門ヒルズ店の話があった時も相談に乗ってくれて、大きな商業施設ということでADが契約して、うちが業務委託契約という形にしてもらいました。開店の時も、冷蔵庫を貸してくれたり、スタッフがヘルプに来てくれたり(笑)。普段は別々でも、いざという時には力を貸してもらえるのは本当に心強いです。僕からもできることで応えていこうと思っています。

独立を目指す方にメッセージをお願いします

そもそも独立するというのは一人ぼっちになるということ。だけど、ADの独立支援制度では相談する人はたくさんいて、それぞれプロとしての厳しさと家族のような温かさの両面から支援がもらえる。いわば「安心して一人ぼっちになれる」からこそ、僕自身も「ここまでしてくれた会社に損はさせられない」という気持ちで頑張ってこられたんだと思います。

ただそういう環境は、願えば誰もが得られるわけでなくて、会社の中でいろんな人と話して、自分の思いや考えていることを出していかないと「この人を支援しよう」ということにはならないでしょう。だからこそ、人とのつながりは大切なんです。独立したい人は自分なりのこだわりがあるし、仕事にギャップを感じることもあるかもしれません。でも、やりたくないことも経験すれば自分の糧になるし、次の学びや新しい出会いにもつながるはず。いつか一人で立つためにも、人の縁・仕事の縁を大事にしてほしいと思います。